◆「IT機器を活用した視覚障害者への情報保障について」
◯視覚障害者の情報保障におけるIT機器の活用
視覚障害者への情報保障というと、「点字」が浮かぶのではないでしょうか。
視覚障害者で「点字」を利用している人は、約一割と言われています。「点字」以外の方法としては、「文字等を音声に置き換える」「見え方に応じて拡大する」があります。
「音声に置き換える」「拡大する」ことを担う機器として、コンピューター、スマートフォンなどのIT機器の活用が視覚障害者の中で広がっています。
今後の視覚障害者への情報保障を考えていく上で、IT機器の活用は不可欠であり、「視覚障害者が、IT機器を使いこなせること」「情報を提供する側が、IT機器に対応できるように情報を加工して提供すること」の二つがポイントになります。
◯スマートフォンの有効性
スマートフォンで見えない、見えづらいことをどのように補うことができるのか、また使いこなしていく上で、どのようなことが課題になるのかを明らかにするため、北九州市内で社会実験を昨年十月に行いました。
実験協力者からは「スマートフォンとアプリがあれば、安価でどこでもいろいろなことができるようになる」という意見もあった一方、「つるつるの画面を触って操作するのでスマートフォンの操作、アプリの操作が難しかった」という意見がありました。
◯今後の課題
スマートフォンは、視覚障害者にとって人を介さずに、主体的に情報を得ることができる有効なツールとなると思われます。
そのためには、スマートフォン、アプリを使いこなすためのスキルを習得できる場が必要です。