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障害者の移動について考える ~飛行機を利用する当事者の声~

 障害のある方の移動手段について、これまで「福祉タクシー」「電車」「バス」について取り上げてきました。4回目となる今回は、「飛行機」をテーマに、当事者・関係者の方からお話をお聞きしました。

 

飛行機に乗って思ったこと

NPO法人 みんなの職場研究会
     代表 大木 隆行

 

 私が車いすを使用して、初めて飛行機に乗ったのは、今から7年前、北九州空港からスターフライヤーで東京まで行ったときです。私が使っている車いすは、簡易型電動車いすで飛行機に乗るときには、車いすの種類やバッテリーの種類など細かく申告をしないといけません。空港に到着すると私の車いすとバッテリーは、すぐに荷物として梱包され空港の専用車いすに乗り換えさせられました。
 搭乗の際は、北九州空港は、ボーディング・ブリッジがあるので空港職員が車いすを押してくれて飛行機の搭乗口まで行くとあら不思議、車いすの車輪が外れ、搭乗口の幅に車いすの幅が合う仕組みになります。そのあとは、JRのように飛行機にスロープをかけて車いすを飛行機内に乗せてCAさんが3人がかりで座席に座らせてくれます。

 帰りは、羽田空港にスターフライヤー用のボーディング・ブリッジがないために特殊な大型リフトトラックで乗降します。

 車いす一台のためにリフトトラックで乗せてもらうのは、ちょっと気がひけたりしますが…
 さて、車いすで飛行機に乗って困るのは、私の障害から飛行機内の車いすを持ってくるのに時間がかかるためトイレが間に合わないことと、持ち込みできる荷物の制限が改正されたことでバッテリーが2個までしか持ち込めないことです。
 東京に行く予定は、ほとんどディズニーリゾートなので、以前はバッテリーを3個載せてくれていましたが2個に制限されているため広いディズニーリゾートで頻繁に充電をしないといけないため行動が制約されることです。
 また前のように、バッテリーを3個載せてくれるともっと楽しい旅になると思います。

 

 2019年12月、北九州空港にて、(株)スターフライヤー及び北九州エアターミナル(株)の社員と、医療的ケア児、視覚障がいのある方、車いす利用者が一緒に空港施設を見て回り、サポートの方法やコミュニケーションの取り方を考える研修が行われました。
 この研修は、福岡県が今年度から新たに実施している、障がいのある方への合理的配慮に関する事業者向け研修事業の一環として行われました。
 今回、研修に参加されたお子さんのご家族と、スターフライヤー社員の方から、それぞれ研修に参加された感想をお聞きしました。


ご家族へインタビューをしました

北九州市障害福祉ボランティア協会

常任委員

   柏原 やすみ(看護師)

 

 「医療的ケア」という言葉ご存じですか?ごはんを胃瘻や腸瘻、鼻からのチューブで注入したり、口や鼻の分泌物を吸引したり、酸素や人工呼吸器の力を借りて呼吸をする。病院で行われる〝医療行為〞を医療的な生活援助行為として捉えることで、「医療的ケア」という言葉が出てきました。家族一緒の生活の中や学校などのお友達との生活の中で医療的ケアを受けている子どもたちが、様々な地域で過ごしています。さて今回は、2歳のAちゃん家族が北九州空港で行われた研修会に参加したお話です。
 Aちゃんはパパ・ママ・お姉ちゃんとの4人家族。体を動かしたりお話するのは難しいけど、かわいい笑顔・への字口の怒り顔などの表情で気持ちを伝えてくれます。

気管切開をして24時間人工呼吸器を使っていて、注入するためにお鼻からチューブを入れています。移動にはバギー(大きな車いす)を使い、バギーには人工呼吸器と吸引器、その他必要な物品をのせています。いざ駐車場から空港と研修施設へGo。

福祉車両の後ろからバギーに乗っているAちゃんが降りる時は車の全長とプラスして奥行きが必要です。障害者用駐車場でも危なくないかドキドキ。搭乗手続きの保安検査場のゲートを通る際には、小さなバギーでも幅がギリギリ。呼吸器の回路を引っかけないかな?その後バギーにのせている物が多いからチェックに時間を要します。後ろの人に迷惑をかけないかと焦ります。またお姉ちゃんがどこかに行かないか目配りが必要。落ち着いてチェックを受ける場はないかな?Aちゃんが乗っているバギーは預かり荷物になるけど、どこまでバギーを使える?

 飛行機の中では14㎏あるAちゃんをママが横向き抱っこ。抱っこをしている時はクッションを借りたけど14㎏という体重は手がすぐに痺れる。座席でAちゃんを抱っこして立つ時は垂直に立ち上がらなければならずママ一人では難しい。そして人工呼吸器はママの足元に置く。抱っこの角度ではAちゃんの肺に入る空気の量が変わる。肺に入る空気の量を人工呼吸器の画面でチェックしたいけど足元だと画面が見えない。顔色はわかるけど、大丈夫かな?と不安。機内研修では飛行機に乗るためのハードルを感じました。

 空港内のバリアフリーチェックもしました。免疫力が弱いAちゃん。衛生面は気になります。消毒剤は常に持っていますが、多目的トイレにもあると気持ちよく使えるかな。Aちゃんを寝かせるベッドを出すと、バギーはトイレの中に入れられず、廊下でバギーとお姉ちゃんを見守ってくれる人が必要でした。何よりも気になるのは電源。Aちゃんにとって電源は「命の電源」。移動時間等考えてバッテリーは準備しているけど、トラブル時を考えると少しの時間でも人工呼吸器を充電させて欲しい。1日の体験での色々な子どもと家族の思いを、研修を受けていたCAさんに伝えました。

 何よりも嬉しかったのはAちゃんに声をかけてくれたこと。わかりにくいけどAちゃんにも感情があります。そして一緒に参加したお姉ちゃんを見守ってくれたこと。温かく迎えてくれたことが嬉しかったです。
 ママからのお話を代筆。柏原でした。

 

研修会を通して学んだこと

株式会社 スターフライヤー
運送客室本部 運送サポート部 運送企画課
  アシスタントマネージャー
       仲村 寛子

 

 「障がいのある方と共に空港施設をめぐりバリアを体験する」このような研修はスターフライヤーにとって初めての試みでした。
 当社のコールセンター、空港、客室の職員は、ユニバーサルサービスに関する知識を持ち、障がいのある方へ適切な対応ができるよう学んでいますが、その内容は一般的な知識や介助方法です。施設・設備もユニバーサルデザインを意識しているものでありますが、それら知識面や運用面において適切なのか、私は担当者として問題意識を持っていました。 

 そのような時、福岡県から当研修のお声がけをいただき、障がいのある方が飛行機に乗る際、実際にどのようなバリアに直面しているのか、また空港施設や係員、客室乗務員の対応がどうあるべきなのか、生の声を伺える貴重な機会であり「ぜひに」とお受けしました。

 当日は、参加いただいた電動車いすユーザーのA様、手動車いすユーザーのB 様、医療的ケア児のC様、視覚障がいのあるD様と当社社員で4つのグループに分かれ、空港内、飛行機機内を模した施設(モックアップ)を共に巡りました。一緒に施設や対応方法を確認したり、皆さんのお話を聞いてみて、点字ブロック付近に物が置いてあり通行の妨げになっていること、医療的ケアを必要とされる方にとって空港の電源が非常に重要となること、通行するための幅が重要であること、貸出用車いすも様々なタイプがある方が良いこと等々・・・実際に理解できていなかったバリアが沢山ありました。

 サービスを提供する側として、障がいのある方に寄り添えるよう、教育や施設に関し改善を進めていましたが、様々なお客様に柔軟な対応ができるよう様々なアプローチ方法を持つこと、お客様が選ぶことができるようサービスの選択肢を沢山持つこと等、今以上にもっとできることが沢山あることに改めて気付きました。

 今回の研修を通して、更に何ができるのか改めて考え、一歩前に進むことができたと感じています。様々なお客様のニーズに寄り添い、安心・快適に利用できる航空会社と感じていただけるよう、柔軟な姿勢でユニバーサルサービスの展開を進めていきたいと思います

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