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障害者の移動について考える ~JRを利用する当事者の声~

 移動する手段として誰もが気軽に使うことのできる「JR」。障害のある方にとっても重要な移動手段だと思います。

 戸畑で勤務するようになって、駅員さんのサポートを受けている方をよく見かけるようになりました。ホームから電車にスロープを掛けるサポート(場合によって車いすを押してのサポート)や到着した電車から改札まで視覚に障害のある方をガイドしている姿です。
 平成29年3月のダイヤ改正でJR九州は筑豊線の若松(北九州市若松区)から新入(福岡県直方市)間の12駅のうち、7駅が新たに無人化されました。障害者団体からも「駅の無人化」に反対する声が多く挙げられています。
 無人駅になってから今まで障害のある方がホームに転落したニュースなどは聞かなかったように思いますが、それは無人駅が安全ということではなく、当事者自身が、前日までに駅員さんのサポートが受けられるよう準備をしたり、身近な誰かにサポートをお願いしたりしているからではないかと思います。

 さて、今回は実際にJRを利用している、視覚障害・肢体障害当事者の方のお話をご紹介します。



JR利用で思うこと 〜視覚障害者の立場から〜

 

特定非営利活動法人
 北九州市視覚障害者自立推進協会 あいず
 高  清 秀

 

ホーム柵
ホーム柵
内方線付き警告ブロック
内方線付き警告ブロック

 視覚障害者にとって、駅のホームは「欄干のない橋」に例えられ、危険な場所の代表格です。

 転落を防ぐ最も有効な対策は、列車が到着した時だけ扉が開く「可動式ホーム柵」ですが、JR九州の在来線では、一部を除いて停車する列車の乗降口の位置が異なっていて、可動式ホーム柵を導入しにくい状況です。

 ホーム柵以外の安全対策としては、ホーム縁端警告ブロック(内方線付き警告ブロック)があります。一般的な点字ブロックのうち、点状のものを「警告ブロック」と呼び、ブロックの分岐部や止まるべき場所を示すのに用います。これまでJRでは、ホームの縁から80センチ(新幹線は120センチ)手前にこれを敷設していましたが、どちらが線路側なのかをより明確に示すために、ブロックの、線路と反対側に沿って線状ブロックを一本追加したものをホーム縁端警告ブロックとして、駅ホームだけに敷設するようになりました。国交省の高齢者障害者移動円滑化ガイドラインでは、1日の利用客が1万人を超える駅には、これを敷設するように規定されていますが、利用客の少ない駅では、他の乗客の声掛けが期待しにくいことから、私たちは利用客数に関わらず、敷設を義務化するよう要望を繰り返しています。

 JR九州では、今年、音声案内の内容を変更し「黄色い線の内側に下がってお待ちください」を「黄色い点字ブロックの内側でお待ちください」と改めました。JR西日本は以前からこの表現でしたが、啓発の意味からも、とてもよいと感じます。

 列車を降りたとき、どちらが改札口へ進むルートなのかを的確に判断することがとても大切です。その対策と
して、階段には誘導鈴が設置され、定期的にチャイム音を鳴らしています。階段を上って改札口へ進む構造の駅では、チャイム音が聞き取りにくい場合が少なくありません。特に階段と階段の間に降りてしまったときは、近い方の階段へスムーズに向かいたいのに、チャイム音が聞き取りにくく判断に迷うことがあります。階段下は通路も比較的狭いので気を使います。
 点字ブロックも誘導鈴も以前は全くなかった設備です。対策は十分ではないにせよ、少しずつ改善していると感じます。
 駅職員の方の、視覚障害者の誘導方法も洗練されてきていて、当事者を迎えての研修を行ってくれている成果の表れと感じます。

 最近残念に思うことといえば、利用客の少ない路線で駅の無人化が進んでいること。前日20時までに申し込んでおかないと乗降介助が受けられませんし、モニターでの集中監視ではホームからの転落は防げないと思います。また、駅員さんは居ても直営駅でなくJRの子会社への業務委託の駅もあります。JR本社の職員さん以外には、研修が行き届いていない印象です。
 最後に、他の利用客の方の協力について。視覚障害者のホームからの転落事故が頻発したのをきっかけに国交省が駅ホームにおける安全性向上のための検討会を発足させ、JR九州を含む多くの鉄道事業者も参加して対策を話し合っています。その中で、事故を防ぐには鉄道職員の力だけでは無理との判断から、利用客に向けて「声掛けキャンペーン」を定期的に行うようになりました。世の中の障害者への理解が進んできていることと相まって、移動中にお手伝いを申し出てくださる利用客の方がグッと増えました。これはとても喜ばしいことです。一方、歩きスマホが減っていない印象なのは残念です。

 これからも、障害のある者の立場から、安全に安心して、楽しく列車を利用できるよう、理解と対策を求めていく必要があると感じます。



移動手段の要はJR 〜肢体障害者の立場から〜

 岩 井 菜穂美

 

  私は数年前まで自分で移動できていて、公共交通機関を利用して博多ぐらいには1人で行っていた。ヘルパーが一緒だとしても身の回りの介助だけで、動くのは自分1人でできていた。しかし、数年前に首を悪くして電動車イスを使えなくなり、移動にも介助が必要になった。

 1人で動けようが動けまいが、私の生活に外出は欠かせない。そして、昔から利用し続けている公共交通機関がJRだ。そう、私はJRがJRになる前、つまり国鉄時代から利用している。

 国鉄時代は、対応が非常に悪かった。駅員が「乗せてやっている」感満載で、こちらも電車に乗るだけなのに戦闘態勢で出かけていた。

 今考えると、おかしな話だ。

 切符を買って乗っているのだから当然だが、ようやく〝乗客扱い〞してくれるようになった。
 駅員が改札から案内して乗車する列車の車両入口にスロープをかけてくれるのは結構以前からだが、最近は積極的に車イスを押してくれたりするし、「ただいま、お客様案内中」と書いた札を首からかけていて他の乗客がこの駅員

には声をかけないよう工夫している。私たち障害者への対応も、以前よりずっと丁寧になっている。
 これは、JR九州という会社自体の企業努力(社内研修など)もあるだろうが、実施団体は変わって来ていて現在は〝生き方のデザイン研究所〞が毎年行なっている「JRカスタマーサポート研修」等、外からの影響も大きいのではないだろうか。

ただ、困っている事もある。
 乗車する際、車掌か運転士のいる車両つまり最前列か最後尾に乗せられるのだ。事故や何か想定外の事が起きた場合の安全対策だろうが、これが意外と厄介だ。
 車両が4両編成くらいだとまだ良いが、8両編成の最後尾になると相当大変だ。何が大変かと言うと、降りた所からエレベーターまでがえらく遠いのだ。距離の問題だけではない。ホームは、案外狭くて危険だ。広く見えるが、真ん中には階段やエスカレーターなどがあり、端を歩かないといけない。歩く人は違うだろうが、車イスは幅があるので転落しそうで怖い。なので、ホームを移動する距離は短いほうが危険が少なくなると思う。

 また、事故が起きたとして車掌は乗客全員の安全を確保しないといけない訳で、障害者を真っ先に助けるとは限らないのではないか?
 そして、以前は車イス利用者をどこに乗せるかは、駅それぞれで決めていたようだが、いつのまにかJR九州の決まりになっているらしく、駅及び駅員はそれに従うしかないのだ。

 マニュアル化を悪いと言う訳ではないが、臨機応変な対応も求められていることを知ってほしい。
 対応が良くなったと言っても、まだまだ課題は多い。障害者差別解消法が施行された現在、合理的配慮がなされているとは言い難いのが現実だ。
 私(障害者の多く)は、移動手段の要としてJRを使っている。なので、当事者の声を聞いて、より快適な公共交通機関に進化してほしいと切に願う。



~番外編~ 「JRジパング倶楽部」

 JRが行っている、シルバーの方を対象としたお得なサービス『ジパング倶楽部』をご存知ですか?

 新幹線などで、201㎞以上の長距離移動をする際に、きっぷがお得に購入できるサービスです。
 さらに、『ジパング倶楽部』には、身体障害者を対象とした『ジパング倶楽部 特別会員』という制度があります。一般の会員よりも年会費が安く、加入できる年齢条件も低く設定されています。

 身体障害者手帳をお持ちの方で、JRを利用して長距離移動をする予定がある方は、ぜひ制度を利用されてみてはいかがですか?
 ◆加入資格/身体障害者手帳所持者で、男性満60歳以上の方、女性満55歳以上の方
 ◆年会費/1,350円(※令和元年10月以降は1,400円)
 ◆割引対象きっぷ/JR線を「片道、往復、連続」で201km以上ご利用される場合、特急券・グリーン券・指定券などが

          割引されます。(新幹線「のぞみ」「みずほ」など一部対象外あり)
 ◆割引の内容/3割引(新規会員は初回3回まで2割引となります)
 ◆割引対象外の期間/4/27~5/6、8/11~8/20(令和2年(2020年)以降変更あり)、12/28~1/6
 ◆北九州市内のジパング俱楽部についての問合せ先/
    公益財団法人  北九州市身体障害者福祉協会
       〒804-0067  北九州市戸畑区汐井町1-6 ウェルとばた6階
          TEL 093-883-5555  FAX 093-883-5551

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