編集後記
手話で広がる、参加のかたち
昨年のクリスマス。あるイベントの音楽タイムでの発表のため、「赤鼻のトナカイ」を練習していたときのことです。そこにいらした一人のご高齢のご婦人が、「若いころから手話を学んでいるんですよ」と、手話歌で一緒に参加してくださいました。
歌声に合わせて動く手と表情。その姿を見ながら、音楽は「聴く」だけではなく、「見る」ことでも楽しめるのだと感じました。そして、もし聴こえない人がこの発表会に参加したいと思ったとき、手話歌で一緒に楽しめる曲があれば、参加できる人の幅がもっと広がるのではないだろうか、と思ったのです。
手話は、単なるジェスチャーではなく、ろう者にとって大切な「言語」です。2025年6月18日、「手話に関する施策の推進に関する法律」が全会一致で成立し、6月25日に公布・施行されました。これまでも、手話を言語として認め、広めようという取り組みは各地で続けられてきました。そうした積み重ねの中で、手話の習得や使用、手話文化の継承、そして手話への理解を社会全体で深めていくための法律ができたのです。そして、この法律では毎年9月23日が「手話の日」と定められました。
言葉というと、つい声に出すものを思い浮かべます。でも、伝える方法は声だけではありません。手話や文字、表情など、いろいろな方法があります。
今年のクリスマスには、手話歌を一曲取り入れてみようかな。そんな小さな一歩から、参加できる人が増えていったら素敵です。まずは、「こんにちは」や「ありがとう」から。手話を一つ覚えることが、誰かと誰かをつなぐきっかけになるかもしれません。


