視覚に障害のある人と ともに楽しむ映画上映会 開催
7月27日(日)に『視覚に障害のある人とともに楽しむ映画上映会』を開催しました。
元々、この映画の上映については、視覚に障害のある人の当事者団体「北九州市視覚障害者自立推進協会あいず」からご相談いただいたもので、北九州市障害者社会参加推進センターと共催という形での開催となりました。
『副音声付映画』とは?
障害のある人もない人も関係なく同じ映画を楽しむ方法とはどのようなものなのか、どのように工夫したら一緒に映画を楽しむことができるのかなど、「一緒に楽しみ、考える」ということを目的に、市内の小・中学校、高校、特別支援学校などを中心に広報を行いました。
上映会当日の参加者は57名で、視覚に障害のある人や学生など様々な方にご参加いただくことができました。
上映した映画は「たぬきがいた」と「さよなら萩ツインシネマ」の2本です。
「たぬきがいた」は、田舎から団地に引っ越してきた少年が、夏休みの間、団地で一人暮らしする高齢の女性や友達と交流し、心を通わせていくほのぼのと温かいストーリーになっており、副音声ガイドと字幕付きの映画でした。
「さよなら萩ツインシネマ」は、観客が激減した萩市の老舗映画館の運営に悩む支配人が、映画館の再生へと奮闘する姿を描いた、実話をベースにしたコメディー風の映画でした。
この映画では、副音声ガイドも字幕もついていなかったため、まず、映画のあらすじを上映前に説明し、その後の上映中は参加者同士で映像の説明を行い、イメージしていただくことで映画を楽しむという試みを行いました。
視覚に障害のある人が映画館で映画を楽しむ際は、自分のスマホやタブレットに入れたアプリを使って楽しむ方が多いのですが、2本目の映画はあえてアプリではなく、人の支援という方法で楽しんでいただこうと取り組んだものです。
視覚障害のある当事者のミニ講演会
2本の映画上映の間に「白杖」と「盲導犬」についてのミニ講演会がありました。
視覚に障害のある人が使用する「白杖」と「盲導犬」がどのような役目を担っているのかなどについて、当事者からお話がありました。
また、困っているのではないかという時の「お手伝いしましょうか」の声かけ、視覚に
障害がある人の「大丈夫ですよ」の回答の仕方など、困っている人とお手伝いをする人との双方のコミュニケーションについてもお話がありました。
相手のして欲しいこと自分ができることを知る今回の上映会を通して、障害の有無にかかわらず、分からないことを知る・体験することで相手を理解するきっかけになることを感じることができたのではないでしょうか。
このイベントが視覚に障害のある人に対してどのように声掛けしたらいいのか、相手ができないことで自分がお手伝いできることは何なのかということを考える機会になってもらえればと思います。
社会参加推進センター 櫻木 奈緒子